エンジニアの転職活動で、最初の壁になるのが「職務経歴書」です。
「何を書けばいいかわからない」
「担当プロジェクトをどう表現すればいい?」
「技術スタックはどこまで書くべき?」
こうした悩みを持つエンジニアは非常に多いです。採用担当者は毎日大量の職務経歴書を目にしており、書き方ひとつで書類通過率は大きく変わります。
この記事では、採用担当者が実際に見ているポイントを踏まえて、エンジニア向けの職務経歴書の書き方・構成テンプレート・例文をまとめました。そのままコピーして使える構成例も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- 採用担当が職務経歴書で本当に見ているポイント
- エンジニアに特化した4ブロック構成の書き方
- すぐに使えるテンプレートと例文(バックエンド・インフラ対応)
- NG例とOK例の違い
- プロに無料で添削してもらう方法
職務経歴書はエンジニア転職の「一次評価」
職務経歴書は、書類選考で採用担当者が最初に目にする資料です。面接まで辿り着けるかどうかは、この書類の出来で決まります。
一般的な転職と違い、エンジニアの場合は技術スタック・プロジェクトの規模・チームでの役割・成果の数値化など、書き方に独自のルールがあります。
よくある失敗パターンは2つです。
- 業務の「作業内容」を羅列するだけで終わっている
- 使った技術の名前だけを列挙して具体性がない
採用担当者が見たいのは「この人が何ができるか」「問題に対してどう動いたか」「その成果に再現性があるか」です。
職務経歴書は「過去の業務記録」ではなく、「自分の仕事能力の証明書」として書く必要があります。
エンジニアの職務経歴書:基本の4ブロック構成
エンジニアの職務経歴書は、以下の4ブロックで構成するのが基本です。この順番で書くと、採用担当者が読みやすく、かつ評価されやすい構成になります。
| ブロック | 内容 | 目安文量 |
|---|---|---|
| ①職務要約 | 何の人か・強みの概要 | 3〜5行 |
| ②職務経歴 | プロジェクト単位の詳細 | プロジェクトごとに10〜15行 |
| ③スキルセット | 技術スタック一覧(カテゴリ別) | カテゴリ×3〜5項目 |
| ④自己PR | 強みの裏付けエピソード | 200〜400字 |
ブロック①:職務要約(3〜5行)
職務経歴書の冒頭に置く「自己紹介の要約」です。採用担当者が最初に読む部分なので、「この人は何の人か」を一目で伝えられるように書きます。
書くべき内容:
- 職種(バックエンド・フロントエンド・インフラなど)
- 実務経験年数
- 得意な技術・領域
- 転職で実現したいこと(1文でOK)
「コミュニケーション能力が高い」「責任感があります」といった抽象的な言葉は避け、具体的な技術名・年数・実績で書くことが重要です。
ブロック②:職務経歴(プロジェクト単位で記述)
最も重要なブロックです。担当したプロジェクトを新しい順(逆時系列)で記述します。
1プロジェクトにつき、以下の情報を盛り込みます。
- プロジェクト名・概要(1〜2行)
- 期間
- チーム規模(例:エンジニア3名を含む5名体制)
- 役割(開発メンバー / テックリード / PM補佐など)
- 担当業務(具体的に箇条書き)
- 使用技術(言語・FW・DB・インフラ)
- 成果・貢献(数値化できるなら必ず数値で)
成果は「課題 → 対応 → 結果」の3ステップで書くと説得力が増します。たとえば「検索が遅いという課題に対してRedisキャッシュを導入し、レスポンスタイムを1.5秒から0.3秒に改善した」のように書くと再現性が伝わります。
ブロック③:スキルセット
技術スタックをカテゴリ別に整理した一覧表です。採用担当者が「この人はどんな技術を持っているか」を一目で確認できるように記載します。
カテゴリの例:
- プログラミング言語
- フレームワーク
- データベース
- インフラ・クラウド
- ツール・その他(Git、Slack、Jiraなど)
重要なポイント:「実務経験あり」と「個人開発・学習中」を分けて記載しましょう。正直さと学習意欲を同時に示せる書き方です。経験年数も添えると採用担当者がイメージしやすくなります。
ブロック④:自己PR(200〜400字)
最後のブロックで「自分の強みを裏付ける具体的なエピソード」を書きます。
自己PRに書くべきなのは「強み」ではなく「強みの証拠」です。
たとえば「チームのコードレビュー文化を整備し、バグ発生件数を月15件から3件に削減した経験があります」のように、具体的な行動と結果をセットで書くことで説得力が生まれます。
採用担当者が職務経歴書で見ている3つのポイント
採用担当者が書類選考でチェックしているのは主に3点です。書き始める前に、採用側の視点を押さえておきましょう。
ポイント①:技術スタックが自社と合っているか
まず「使用技術」を確認します。この段階で「うちが求める技術スタックを持っているか」を即座に判定します。
だから技術スタックのブロックは冒頭か、見やすい位置に配置することが重要です。ページの後半に埋もれていると、そこまで読んでもらえないリスクがあります。
ポイント②:成果の規模感・再現性があるか
「どんな規模のシステムに関わり、どんな成果を出したか」を確認します。ここで差がつくのは数値の有無です。
「処理速度を改善した」より「APIレスポンスタイムを平均1.2秒から0.3秒に改善した(Redis導入)」の方が圧倒的に評価されます。
小さな数字でも構いません。「バグ件数を月20件から5件に削減」「デプロイ時間を30分から5分に短縮」など、日常業務の中に数値化できるネタは必ずあります。
ポイント③:読みやすいか(構成・文量・表現)
採用担当者は1日に多数の書類を確認します。パッと見で「読みにくい」と判断されると、内容を正確に評価してもらえません。
適切なボリュームの目安:A4用紙2〜3枚。経験が浅い場合(1〜2年)は2枚でも十分。5枚以上になる場合は情報を絞りましょう。
【すぐ使える】エンジニア用職務経歴書テンプレート
以下は、コピーしてそのまま使えるエンジニア向け職務経歴書の構成テンプレートです。[ ]内を自分の情報に置き換えて使用してください。
【職務要約】私は[職種]として[○年]の実務経験を持っています。主に[使用技術・領域]を使ったWebアプリケーション開発に従事し、[役割:設計・実装・レビューなど]を担当してきました。現在は、[転職で実現したいこと]を目指しています。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━【職務経歴】■ [会社名]([入社年月]〜[現在 or 退職年月])事業内容:[事業の説明・1行]▼ プロジェクト①:[プロジェクト名]([期間])概要:[プロジェクトの概要・1〜2行]チーム規模:[○名(エンジニア○名・PM○名など)]役割:[開発メンバー / テックリード / PM補佐など]【担当業務】・[業務内容1]・[業務内容2]・[業務内容3]【使用技術】[言語] / [フレームワーク] / [DB] / [インフラ] / [ツール]【成果・貢献】・[課題]に対して[対応策]を実施し、[定量的な結果]を達成・[課題]に対して[対応策]を実施し、[定量的な結果]を達成━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━【スキルセット】◆ 実務経験あり・言語:[例:PHP(5年)、Python(2年)]・フレームワーク:[例:Laravel(4年)、FastAPI(1年)]・DB:[例:MySQL(5年)、PostgreSQL(1年)]・インフラ:[例:AWS(EC2 / RDS / S3)、Docker(3年)]・ツール:[例:Git / GitHub / Jira / Slack]◆ 個人開発・学習中・[技術名(学習期間・進捗)]━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━【自己PR】私の強みは「[強みのキーワード]」です。[具体的なエピソード:課題→対応→結果の流れで200〜400字]
職務経歴書の例文(バックエンドエンジニア・経験3年)
以下は、Laravel / Python を使うバックエンドエンジニア(経験3年)を想定した例文です。自分の経験に合わせてカスタマイズして使ってください。
【職務要約】の例文
バックエンドエンジニアとして3年間、BtoC向けWebサービスの開発・運用に従事してきました。主な担当領域はREST API設計・DB設計・インフラ構築で、PHP(Laravel)とPythonを中心に経験を積んでいます。チームでのアジャイル開発経験があり、スクラムマスターとして小規模チームのプロセス改善も担当しました。現在は、技術的な裁量を持ちながら自社サービスの開発に携わることを目指しています。
【職務経歴】の例文
■ 株式会社〇〇(2022年4月〜現在)事業内容:BtoC向けファッションECサービスの開発・運用▼ プロジェクト①:商品推薦機能の開発(2023年6月〜2024年3月)概要:機械学習を活用した商品レコメンデーション機能のバックエンド開発。 月間アクティブユーザー50万人規模のECサービスに対して新機能を追加。チーム規模:6名(BE2名・ML2名・FE1名・PM1名)役割:バックエンド開発リード【担当業務】・レコメンドAPIの設計・実装(Python / FastAPI)・MLチームとのデータ連携インターフェース設計・Redisを用いたキャッシュ戦略の設計・実装・A/Bテストフレームワークの構築・GitHub Actionsを使ったCI/CDパイプライン整備【使用技術】Python / FastAPI / MySQL / Redis / AWS(Lambda・SageMaker・S3)/ Docker / GitHub Actions【成果・貢献】・商品クリック率が機能リリース後1ヶ月で従来比+18%向上・APIレスポンスタイム:平均800msから150msへ改善(Redisキャッシュ導入)・CI/CD整備によりデプロイ時間を45分から8分に短縮━━━━━━━━━━━━━━━━▼ プロジェクト②:ECサイトバックエンドリプレイス(2022年4月〜2023年5月)概要:レガシーPHPで構築されたECサイトのバックエンドをLaravelへリプレイス。チーム規模:4名(BE3名・PM1名)役割:開発メンバー(BE担当)【担当業務】・既存システムのリバースエンジニアリングと仕様整理・Laravel REST APIの実装(商品・注文・ユーザー管理)・DB設計(MySQL:テーブル設計・インデックス最適化)・コードレビュー対応【使用技術】PHP / Laravel / MySQL / Redis / Docker / AWS(EC2・RDS・S3)/ GitHub【成果・貢献】・レガシーコードのリプレイスにより障害件数を月20件から月3件に削減・コードレビュー体制の整備によりバグ混入率を約70%低減
【スキルセット】の例文
◆ 実務経験あり・言語:PHP(3年)、Python(2年)・フレームワーク:Laravel(3年)、FastAPI(1年)・DB:MySQL(3年)、Redis(1年)・インフラ:AWS(EC2 / RDS / S3 / Lambda / SageMaker)、Docker(2年)・ツール:Git / GitHub / GitHub Actions / Jira / Confluence / Slack◆ 個人開発・学習中・Go(学習中・REST APIをGoで構築中、GitHubにて公開)・TypeScript / React(個人ブログサービスをフルスタックで開発中)
【自己PR】の例文
私の強みは「課題の発見から実装・改善まで一貫して推進できる力」です。前職では商品検索のレスポンスが遅いという課題を自ら発見し、ボトルネック分析からRedisキャッシュの設計・導入、チューニングまでを主導しました。結果としてAPIレスポンスタイムを80%削減(800ms→150ms)し、ユーザー離脱率の約10%改善に貢献しました。「誰かに言われる前に動く」というスタンスを持っており、チームのCI/CD整備やコードレビュー文化の立ち上げなども自発的に取り組んできました。技術的な課題をプロダクトの改善という視点で捉え、実装だけでなく仕組みとして解決できることが私の最大の特徴です。
NG例 vs. OK例:よくある表現の比較
職務経歴書でよく見られる「NG表現」と「OK表現」を並べて比較します。自分の書いた内容と照らし合わせながら確認してみてください。
成果の書き方
| 例文 | 問題点 / 評価点 | |
|---|---|---|
| ❌ NG | Webアプリケーションの開発・保守を担当しました。 | 何をしたか不明。規模感・成果ゼロ |
| ✅ OK | MAU50万人規模のECサイトのバックエンド開発を担当。商品検索機能の設計・実装を主導し、レスポンスタイムを平均1.2秒から0.3秒に短縮。 | 規模・役割・成果が数値で明確 |
技術スタックの書き方
| 例文 | 問題点 / 評価点 | |
|---|---|---|
| ❌ NG | PHP、Python、AWS、Docker、Kubernetes、GCP、React、TypeScript、Go | 経験年数・習熟度が不明。全部「使える」のか疑問 |
| ✅ OK | PHP / Laravel(実務3年)、Python / FastAPI(実務2年)、AWS(実務2年)、Docker(実務2年)、Go(個人開発中) | 実務・学習中の区別が明確。信頼感が増す |
役割・ポジションの書き方
| 例文 | 問題点 / 評価点 | |
|---|---|---|
| ❌ NG | チームでの開発を担当しました。 | チームの何人か・何をしたかが全く伝わらない |
| ✅ OK | 5名チームのバックエンドリードとして、設計・実装・コードレビューを担当。週次でアーキテクチャレビューを実施し、技術的な意思決定に関与。 | チーム規模・役割・具体的な業務が明確 |
自己PRの書き方
| 例文 | 問題点 / 評価点 | |
|---|---|---|
| ❌ NG | コミュニケーション能力が高く、チームワークを大切にしています。責任感を持って業務に取り組んでいます。 | 誰でも書けるテンプレ。証拠がゼロ |
| ✅ OK | チームのコードレビュー文化を自ら整備し、バグ発生件数を月20件から3件に削減。技術的な課題を業務改善の視点で捉え、仕組みとして解決することが得意です。 | 強みを裏付ける具体的な行動と数値がある |
職種別:書き方のポイント
基本構成は共通ですが、職種によって強調すべきポイントが異なります。自分の職種に合わせてカスタマイズしましょう。
バックエンドエンジニア
- 設計力:DB設計・API設計の具体例を書く
- パフォーマンス改善:レスポンスタイム・処理件数の改善数値
- スケーラビリティ:扱ったデータ量・DAU/MAU規模
- テスト:ユニットテスト・E2Eテストの経験
フロントエンドエンジニア
- UI/UX改善:ユーザー満足度・コンバージョン率などへの貢献
- パフォーマンス:LCP・FID・CLSなどCore Web Vitalsの改善数値
- コンポーネント設計:再利用性・保守性の高い設計の経験
- ポートフォリオ・GitHub:公開プロダクトがあると強い
インフラ・SREエンジニア
- 可用性:稼働率・SLO/SLAへの貢献(例:99.9%→99.99%)
- コスト削減:インフラコストの削減率・金額
- セキュリティ:脆弱性対応・監査対応の経験
- IaC:Terraform・CDKなどの活用実績
転職エージェントに職務経歴書を添削してもらう方法
職務経歴書は「完成させてから見直す」より、「プロに添削してもらう」のが最短ルートです。
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特に以下の場合はエージェントへの相談をおすすめします。
- 成果として何を書けばいいかわからない
- 転職が初めてで職務経歴書を書いたことがない
- 書類選考の通過率が上がらない
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どのエージェントを選ぶべきか迷っている場合は、こちらの比較記事も参考にしてください。
→ ITエンジニア転職エージェント比較【2026年版】おすすめサービスを徹底比較
よくある質問
Q. 職務経歴書の枚数は何枚が適切ですか?
A4用紙2〜3枚が目安です。経験が浅い場合(1〜2年)は2枚でも十分です。逆に5枚以上になる場合は情報を絞りましょう。プロジェクト数が多い場合は、直近3〜4件に絞って深く書く方が評価されやすいです。
Q. 職歴が1社しかない場合はどう書けばいいですか?
1社でも問題ありません。むしろその1社での複数プロジェクトを丁寧に書くことで、経験の幅を伝えることができます。プロジェクト①・②・③と分けて記述し、役割の変化(メンバー→リード)や技術スタックの拡張などを示しましょう。
Q. 個人開発やOSSへの貢献は書くべきですか?
ぜひ書いてください。特に経験が浅いエンジニアの場合、個人開発は重要な実績になります。GitHubのURLを添えると具体性が増します。スキルセットのブロックで「個人開発・学習中」として記載し、アピールしましょう。
アウトプットの評価されやすい書き方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
→ ITエンジニア転職で評価される「アウトプット」の種類と正しいアピール方法
Q. 転職エージェントに依頼すると、職務経歴書を代わりに書いてもらえますか?
基本的には「添削・フィードバック」です。全文を代筆してもらうことはありませんが、「何を書けばいいか」「どう表現すればいいか」を具体的にアドバイスしてもらいながら仕上げることができます。一度ドラフトを持参するだけでも、大幅に精度が上がります。
Q. 在職中でも転職エージェントに相談できますか?
できます。実際に転職活動をしている人の大半は在職中です。「転職するか迷っている」「まず職務経歴書を整えてみたい」という段階での相談も受け付けているエージェントがほとんどです。
職務経歴書ができたら次にやること
職務経歴書が完成したら、転職活動の次のステップに進みましょう。以下の記事も合わせて参考にしてください。
まとめ
エンジニアの職務経歴書で重要なのは、以下の3点に集約されます。
- 技術スタックは「実務経験あり」と「学習中」を分けて書く──信頼感と学習意欲を同時に示せる
- 成果は「課題 → 対応 → 結果」の3ステップで数値化する──再現性が伝わり、評価が上がる
- A4用紙2〜3枚にまとめ、読みやすい構成にする──パッと見で評価されるレイアウトが重要
一人で完成させようとすると迷いやすい書類です。転職エージェントの無料添削を活用しながら仕上げるのが、効率的かつ精度を上げる最短ルートです。
